2013年8月30日金曜日

Bend, Not Break - A Life in Two Worlds

Ping Fuという中国出身の起業家の自伝『Bend, Not Break - A Life in Two Worlds』を読みました。


中国での子ども時代に文化大革命を体験。親から引き離されて大学の寮に小さな妹と二人で住み、工場で労働させられたりなどひどい目に遭いながらもなんとか生き延び、のちに再開された大学に入ってようやく教育を受けられるものの、書いた論文の内容が中国当局の怒りに触れてアメリカに追放される。英語もわからず、お金も全くないスタートだったが努力して学位を取り、のちに3Dプリンター関連の会社を起業して成功、Entrepreneur of the Yearに選ばれるまでになる、というストーリーです。

読み始めて最初からすごい話の連続で、感心して読んでいました。でも3/4くらいまで来たときにふと「この人、本当はどんな人なんだろう?」と思ってネットで調べてみると……この本かなり問題になっていました。

どうやら内容の信ぴょう性が疑われているようで、Amazonのレビューも★1つが大量について非常に「荒れて」います。

私自身は中国の歴史に特に詳しいわけではありませんが、それでも「???」と思う部分がいくつもありました。例えば、学校がすべて閉鎖されてしまって小~高校まで全く学校教育を受けなかった、子どものときに強制移住・強制労働させられた、アメリカに着いた時点で英単語をたった3つしか知らなかった、割り算の概念も知らなかったのに猛勉強してコンピューターの学位を取った、論文が問題になって中国から追放された、など。

私自身で調べたわけではないので真実はわかりませんが、少なくとも「誇張」や都合のよい「言い換え」はあるような気がします。(どんな自伝でも多かれ少なかれあるとは思いますが。)

で、あと1/4ほどを残した時点で、この本はどうやら真実ばかりが書いてあるわけではないとわかり、ちょっとがっかりしたのですが、それでも最後まで読みました。理由は、この本はフィクションとして読んでもおもしろいと思ったから。

この本フィクションとして出ていたらよかったのになあ~と思います。特に中国での子ども時代の話はハラハラドキドキしたり、ははーっと感心したりして、とてもおもしろいのです。

ということで、内容の真偽はよくわかりませんが、フィクションとして読んでみることをお勧めします。

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