2013年7月7日日曜日

The Help

映画『The Help』を見て、そのあと同タイトルの原作本を読みました(オーディオブックだから「聞きました」?)。映画は2年前に公開になったのを気になりつつ見逃していて、図書館でDVDを見つけたので借りたのでした。




日本でも映画後悔されていて(→)、和訳本も出ています(→)。

「ヘルプ」というのはDomestic help(家政婦、メイド)のことです。ヘルプは皆黒人で、雇う側は白人。時代設定はちょうど公民権運動が盛んになった頃で、南部の黒人差別の激しい町が舞台です。

主人公の女性は大学卒業後に実家に戻り、結婚して主婦になった同級生たちの差別的言動にショックを受けます。作家になりたい彼女はヘルプたちを取材して本を執筆しようとする……というストーリーです。

この同級生たちがまあ本当にひどくて呆れるばかりなのですが(笑い話にしたいくらいひどいんです!)、程度の差こそあれ、今この時代の私たちも似た感覚をもっているかもしれないなとも思いました。

それは「違う」ということについて。私はよく「多様性(diversity)」が大切だと言っています。つまりは「違い」が存在すること、そして「違い」を尊重することが大切ということです。

ある女性が黒人と白人が同じ学校で学ぶことについて、"Black people and white people are SO DIFFERENT!"(本が手元にないので微妙に違う表現だったかもしれません)と言う場面があるのですが(映画ではなかったかも)、この場合の"different"というのはまったくポジティブな意味合いがありません。

このセリフはものすごく意地悪に聞こえたのですが、実際わが身を振り返ってみると、例えば最低賃金程度できつい仕事をしている人たちや、ホームレスの人たちなどのことを多少なりとも「あの人たちは自分たちとは違う種類の人たちだ」と思っている部分があるかもしれないなあとも思ったのです。もっと広く見てみると、世界には貧しくて栄養も足りない人たちや、現在でも奴隷のような待遇を受けてる人たちがいることを知りつつ、「自分とは別の世界の別の種類の人たちのこと」として気にも留めていないのではないか、とも。

肌の色の違いや文化の違いは尊重したいですが、「違う」という言葉の使い方には気をつけたいと思いました。

2 件のコメント:

  1. differentという言葉、確かに使われ方によってnegativeな意味もありますよね。例えば "Did you like the food?" という質問に"It was different"という答えはポジティブでないですからね。

    ところで私はこの本、息子が生まれたての時に読んだ本なんです。映画も最近見ました。junjunさんはこの本どう思いました?私はとーっても好きな本でした。

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    1. Ayaさん、そうですね。これまでdifferentという言葉のネガティブな面はあまり気にしたことがなかったのですが、この本で気づきました。
      私もこの本大好きです。映画も。差別の問題について考えさせられるという点だけでなく、単に読み物として読んでもentertainingですよね!

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