2013年4月22日月曜日

ボストン爆破事件のあとで我が町について思うこと

今日は月曜日で新しい週の始まります。

今日からすっきりと通常の生活開始!といきたいところですが、朝夫が出勤したら駅はまだ封鎖されていると言うし、家の近くも朝からずっとヘリコプターが飛んでいるし(関係ないのかもしれないけど)、やっぱり気になります。

近くで起こったこととはいえ、外出禁止令以外は直接自分に関係はなかったのにどうしてこんなに気になるのか。

ひとつには大好きな街で起こったということ。単に住んでいる場所というだけでなく、ボストン(市だけでなく広域ボストン)はいろんな面で大好きな土地です。また、私はまだ3年しか住んでいませんが、夫が育った場所であり、そういう意味でのつながりもあります。

そして容疑者が同じ市に住んでいたこともショックでした。

先週別ブログにも書きましたが、ケンブリッジの大きな魅力のひとつがdiversity(多様性)です。人種や民族、貧富、教育程度などあらゆる面で本当に多様な人たちが住んでいます。

容疑者の弟が卒業した高校は私の夫の出身高でもあります。2年前に同窓会があり、私も出席したのですが、夫の同級生が口々に「ケンブリッジはdiversityがある。特にこの高校はそうだ」と言っていて、へえ~と思った記憶があります。(そのときのブログ記事はこちら→

うちの近所には低所得者用住宅があり、移民してきてまだ経済の安定しない人たちもたくさん住んでいます。そのうちの一人でエジプト出身のママとつい1週間ほど前にスクールバスを待ちながら立ち話をしていたのですが、「以前住んでいたところと比べてケンブリッジの人たちはopen-minded(偏見がない、心が広い)だから住みやすい」と言っていました。これはほかの人からも聞いたことがあります。

そのバス停の道の向こうにはハーバードの大学院の家族用の寮があり、日本も含め、世界中からの留学生が住んでいます。

娘の学校も国際色豊かで、生徒自身がアメリカ生まれであっても親が移民という生徒がたくさんいます。親の中には英語があまり得意でない人も少なくありません。また、学校の職員も多様で、イスラムのベールをかぶっている方もいます。

今回の事件では容疑者兄弟が外国人であったこと(弟は昨年アメリカ国籍を取得しているらしいですが)が大きく取り上げられています。彼らが外国人であったことがこの恐ろしい犯罪と関係しているのかもしれませんが、今回のことでケンブリッジの人たちの気持ちが閉鎖的な方向に向かわないことを祈っています。

これまでと同じように、どこの国出身であっても、肌の色が何色であっても、宗教が何であっても、同じ町の住民として分け隔てなく付き合い、子どもたちは同じ学校で仲良く学んでいってほしいです。

2013年4月1日月曜日

Ron's Big Mission―黒人少年の小さな抵抗

Ron McNairは1986年のスペースシャトルチャレンジャーの事故で亡くなった宇宙飛行士。彼の子ども時代の逸話を題材にした本『Ron's Big Mission』を昨夜子どもに読んであげました。


飛行機乗りになることを夢見ていた小さな少年が夢を叶えて宇宙飛行士にという話だろうと思って読んでいくと、様子が違います。黒人に対する不当な扱いと戦うという話でした。

1959年、Ronが9歳の頃のこと。当時彼が住んでいたサウスカロライナでは黒人は図書館で本を借りることができず、毎日図書館に通い、その場で読まなければなりませんでした。

ある日Ronは図書館のカウンターで本の貸し出しをお願いします。黒人には貸し出せないというルールがあるために白人女性が「私が借りてあげましょう」というのも断り、どうしても貸し出してほしいと言い張り、警察まで呼ばれる大騒ぎに。

最終的には図書館の責任者がルールを曲げて貸し出しカードを作ってくれるのですが、ほんの数十年前まで不当な扱いが多くあったことに改めて気づかされました。

図書館でRonは自分と似た子が載っている本を探すのですが、あまりありません。たいてい白人ばかりが取り上げられているからです。

ここでうたこが、「なぜ? みんな白人のほうが好きだから?」と。

「白人が白人を好きだからじゃないの。うたこは茶色いから茶色い人が好き?」と言うと、「私は白人も好き」

当たり前ではありますが、素晴らしい態度! みんなこうでないとね!

Ronが本を貸し出してもらえない場面では"It's not fair!!"と怒っていました。


ところで、Pの家族はほぼ100%ブラックファミリーです。

イースターの昨日はPママの教会のサービスに出ましたが、アフリカンアメリカンの教会のため、MITの講堂ほぼ満員で非黒人はおそらく5人ほど。あとは全員ブラックの人たちです。

Pの家族もみんな黒人で、これまで私とPパパの奥さん(フィリピン人)以外にブラックでない人を見たことは一度もなく、昨日の集まりで初めて白人メンバーが現れ、ちょっとびっくりしました。P甥の奥さんの弟の奥さん(遠いね)。

住んでいるところもそうだし(この辺はわりと混じっているけど、分かれていることが多い)、Pが「そういえば今の職場もすごくWhiteだなあ」と。大学もPが行ったところは超White。今の時代、あからさまな差別などはなくなったけど、まだまだ分離していますね。(単に混じればよいというものでもないでしょうが)。

子どもの本をきっかけになんだかいろいろ考えさせられました。